日本共産党の仁比聡平前参院議員と大平喜信元衆院議員は11月22日、水害が相次ぐ島根県西部の江(ごう)の川の下流域を訪ねて治水対策を調査し、自治会長など被災者から要望を聞きました。

 江の川の下流域は国の堤防整備の遅れなどで、近年では2018年、20年、21年の豪雨で3度の浸水被害が発生。仁比、大平の両氏は流域の美郷、川本の両町と江津(ごうつ)市の7カ所の被災地を訪れました。中原保彦・美郷町議、森川佳英、多田伸治の両市議、向瀬慎一西部地区委員長が同行しました。

 江の川の増水で支流があふれた美郷町の港地区。地区内に集団移転する5戸の一つの男性(66)は「やっと、いい具合になった」と喜びつつ、移転費用の負担額について「まだ全然わからない」と語りました。

 江津市の38戸の渡田地区で、自治会長の男性(65)は支流の田津谷川の流れを元の位置に戻し、堤防をつくる計画が約50年ぶりに動き出したと指摘。「『ここに最後まで住みたい』『離れたくない』と言う高齢者も多い。安心して住める治水対策をお願いしたい」と求めました。

 市内の川平地区の男性(70)は築92年になる今の住宅にひかれ、9年前、東京から夫婦で移住しました。「毎年のように水害におびえるのはつらい。行政は一人ひとりの希望を聞いてほしい」と訴えました。

 仁比氏は河川法にもとづく国の河川整備計画が整備されないもとで水害が繰り返されていると指摘。被災者の要求実現に向け、「私たちも力をあわせて頑張りたい」と述べました。(しんぶん赤旗 2021年11月24日)