4月に長崎県平戸市沖でまき網漁船第11大栄丸が沈没した事故で行方不明になっている乗組員の家族と支援者7月3日、国会内で日本共産党に要請を行いました。日本共産党からは市田忠義書記局長が対応し、仁比聡平、紙智子両参院議員が同席しました。

 事故では乗組員22人のうち12人がいまだ行方不明です。船体は水深80メートルの海底に沈んでいることが確認されていますが、費用などの問題で引き揚げは行われていません。

 家族らは、(1)乗組員の早期救出(遺体収容)(2)沈没事故の際、人命救出など迅速に対応できるよう法整備、保険制度などの確立(3)遺体収容の経費および実施義務が船主にゆだねられている現行制度の改善などを求め、18万人超の署名を政府に提出しています。

 家族らは「被災した息子には小学1年と4歳の子どもがいて、嫁のおなかには赤ちゃんもいます。息子は誕生を心待ちにしていました。あまりにも救出体制が遅い」(墨谷スマ子さん=63=)「現行法ではすぐに救出にうごく内容になっていない。制度を改善して、引き揚げもしてほしい」(弟が被災した坂本憲一さん=30=)など口々に実情を語りました。

 市田書記局長は「人命にかかわることはお金の問題ではない。こんな状態では漁業の後継ぎもできない。再発防止のためにもみなさんの当然の要求を実現できるよう党派を超えて力を合わせてがんばりたい」と述べました。(2009年7月4日(土)「しんぶん赤旗」)