2008年4月19日(土)「しんぶん赤旗」

日米合意 違反明らか

参院委で仁比議員 米軍機低空飛行を告発


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(写真)質問する仁比聡平議員=18日、参院決算委

日本共産党の仁比聡平議員は4月18日の参院決算委員会で、広島市上空での米軍機の低空飛行(昨年十二月)の実態を示し、日本の航空法を守るとした日米両政府の合意(一九九九年)に違反していると批判しました。

政府は、仁比氏の質問主意書への答弁書(一月十一日)で、米軍機が昨年十二月に同地で約四百五十メートル以上の高度で飛行していたことを明らかにしています。

航空法の施行規則は、地上の最も高い障害物の上端から三百メートルを最低安全高度と規定。九九年の日米合意は「在日米軍は、航空法により規定される最低高度基準を用いている」としています。

仁比氏が示したのは、このときの米軍機の飛行コース。地元の住民団体による調査をもとに推定したもので、原爆ドームを見下ろしながら、市街地上空を低空飛行した形です。(地図)

仁比氏は、現地調査で標高三百九十七メートルの権現(ごんげん)山より低く飛んだという目撃証言があったことを示し、「権現山より三百メートル以上でなければ、最低安全高度を守ったとはいえない」と告発しました。

高村正彦外相は「日米合意に反していないという説明を事務方から受けたが(仁比)議員の説明を(きくと)、そごがあると感じた」と答弁。石破茂防衛相も「私も低空飛行に遭遇したことがある。本当に怖い。恐怖を感じる」と認めました。

仁比氏は、低空飛行訓練の中止を米側に求め、地位協定を抜本改定するよう要求しました。

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