「よし」歓声 思い凝縮 

 「みなさん、よかったですね」―。「よみがえれ!有明訴訟」を支援する全国の会の岩井三樹事務局長がしみじみと述べた一言には、万感こみあげる思いが凝縮されていました。開門を命じた福岡高裁判決にたいして菅直人首相が上告断念を表明した12月15日、東京都霞が関の農林水産省前での座り込み参加者にも歓喜が訪れました。

 上告断念を求め、原告、弁護団、支援者らが座り込みを始めて3日目。開始から2時間半が過ぎたころ、上告断念の一報がもたらぎれます。「よしっ」と歓声が上がり、すがすがしい笑顔が周囲へ広がりました。

 日本共産党の穀田恵二、赤嶺政賢の両衆院議員と、弁護団の一人でもある仁比聡平前参院議員が祝福に駆けつけました。

 支援者らとてを取り合って喜びを分かち合い、仁比氏は「心を一つにして勝ち取った歴史的な一歩だと確信しています」と話しました。

 穀田氏は「宝の海を取り戻そうと力を一つに、原告、弁護団、それを支えた多くのみなさんのたたかいが実ったことに心からお祝い申し上げます」と述べました。
 今後に向けて赤嶺氏は「活気ある有明海を取り戻す大きな仕事が待っています。未来を切り開くたたかいを一緒に進めていきましょう」と呼びかけました。

 有明海漁民・市民ネットワークの羽生洋三さんは「これまで血のにじむような思いで漁業を守ってきた漁民にとって、早期開門は死活問題です。漁業だけでなく農業も両立する有明海再生のために、建設的な開門協議を引き続き求めていく」と決意を語りました。

「終止符」だが再生これから

 「『よみがえれ!有明訴訟』を支援する全国の会」の岩井三樹事務局長の話

 長い、長い裁判のたたかいに「終止符」が打たれました。しかし有明海再生はこれからです。漁民、農民、干拓地の後背地に暮らす住民のみんなでより良い開門方法を探っていきたい。(しんぶん赤旗 2010年12月16日)