被爆者の救護などで放射能の影響を受けた「3号被爆者」健康手帳交付の審査基準が緩和されて昨年11月から運用が始まっているのに、古い審査基準で却下され、国に再審査請求をしている福原義則さん(70)、中川千恵子さん(70)=いずれも広島市安佐北区=が2月11日、安佐北区内で日本共産党の仁比そうへい参院議員に審査の迅速化を陳情しました。

 基準緩和ヘ力を発揮した広島地裁判決(2009年3月)を勝ち取った救護(3号)被爆者訴訟原告団の隅坂薫団長と山根智事務局長、日本共産党の大西オサム参院選挙区候補と清水ていこ市議候補が同席しました。

 2人はいずれも06年2月に審査請求をしており、「4年も経つのに何の回答もない」と憤慨。市原対部によると県の審査請求が23件、国の再審査請求が8件も滞っており、山根事務局長は「厚労省の審査態度を改めさせ、蕃査のスピード化をはかることが課題だ」と訴えました。

 仁比議員は「被爆の実相を65年間も直視してこなかった国に、申請者を見下すような資格はない。特に救護被爆は基準が見直されたわけで、厚労省と交渉したい。もし上京する条件があるなら、原爆症認定や『黒い雨』指定地域の問題と併せて交渉するのがよいのでは」と答えました。(しんぶん赤旗 西日本のページ 2010年2月14日)