8日付本紙1面「挑む」を読むと、私はずいぶん“泣き虫”のようだが、本人にはそれなりの“言い分”がある。ただ私のうちに、理不尽な被害を強いられ、人生まるごと、家族まるごと壊されながら加害者=なかんずく大企業・国の責任を問うてたたかおうとする被害者への抑えきれない情動があるのは確かで、それが私をつき動かしてきた。美空ひばりも歌っているではないか。“強いばかりが勝ちじゃない♪泣ける弱さが人間なのさ♪”―。

                            (写真はすべて、11/30肝炎基本法成立後の報告集会で)

 およそ350万人にひろがる肝炎は「医原病」といわれる。血液製剤の投与や予防接種の注射器を介してひろがったからである。その根源には製薬企業のもうけ優先や国の衛生行政の誤りがあり、たとえば小学校で同級生と並んで何度も予防接種を受けた私がB型肝炎に感染しなかったのは単なる偶然でしかない。
 10月15日、民主党政権初の臨時国会を前に、B型肝炎の原告たちは進行する病気の焦燥、高すぎる治療費、不十分な医療体制、就職や職場での偏見、最高裁判決にさえ従わない国の無責任を私たちに痛切に訴えた。そうした苦しみを少しでも軽減するために、山口美智子さんをはじめ薬害C型肝炎の原告たちは、自らの裁判の後も、日本肝臓病患者団体協議会と力をあわせて「すべての被害者・肝炎患者の救済を」と基本法制定を求め続けてきたのだ。
 ところが法案は、内容に大きな対立はないのに政争の具にされ、解散で廃案になった。民主党は政権をとっても肝炎対策の予算確保を明示せず、「議員立法は禁止」といって先送りしようとした。
 10月20日、議員会館の廊下で旧知の原告に呼びとめられた。緊急院内集会で急きょ上京したという。チラシも間に合わずとにかく案内して回っているという。その集会で原告たちは「私たちはもうお願いはしません。約束を守ってください。でなければ私たちは新政権に対して闘争宣言をあげ、ふたたび命がけでたたかいます」と訴えた。
 私と党国会議員団はこうした訴えに正面から応え、総理面会や政党間協議の実現でも、内容のとりまとめでも、要所で国会を動かしてきた。
 そうしたなか、院内集会の様子をメーリングリストで知ったという埼玉のある原告の方から、巻紙に丁寧に達筆で記されたお手紙をいただいた。
 「院内集会では私達の切羽詰まった叫びをジッと聴いて下さり、かつ、翌日には穀田共産党国対委員長から与野党協議の申し入れが為されたとの事。この報せは患者の一人としてどんなにか勇気を頂けたことか。心から心から御礼申し上げます」―基本法成立後の集会で、山口美智子さんが「私たちは、共産党の国会議員団の方々に支えられて今日を迎えることができました」と述べてくれたように、被害者とともにたたかってきたことは私たちの誇りである。
 政権まかせでは変わらない。国民のあらゆる要求で、ともにたたかう建設的野党の役割を果たしぬくために、私たちは知恵と力を尽くす。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年12月9日)