日本共産党の仁比聡平議員は4月9日の参院決算委員会で、米海兵隊が作成した岩国基地(山口県岩国市)の「航空運用マニュアル」に米空母艦載機部隊が同基地の滑走路を利用して空母着艦訓練(FCLP)を具体化する詳細な記載があることを明らかにし、同基地でのFCLP実施を“考えていない”としてきた政府の説明に反するとして、マニュアルを撤回させ訓練をやめさせるよう求めました。

(質問動画はコチラ)

 FCLPは、滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返すため、甚大な騒音被害をもたらします。米軍は米海軍厚木基地(神奈川県)から岩国への空母艦載機移駐を3月中に完了させており、市民には強い不安が広がっています。

 岩国市と山口県、国、岩国基地が米軍機の運用ルールなどを話し合う場として1971年に設置した岩国日米協議会では、飛行や着艦訓練の規制などについて確認。日本政府もFCLPは小笠原諸島(東京都)の硫黄島で行うとし、岩国基地で恒常的に行われることはないとの見解を示してきました。

 ところが、米軍がホームページに公表した「マニュアル」には、FCLPは「同時に3機まで」「600フィート(地上約180メートル)で周回」しながらタッチアンドゴーを行うことや、「昼間」「夜間」も行うなど、政府の説明に反する内容が詳細に記載されています。岩国基地の滑走路の一部を空母に見立てた「模擬甲板」の図面も添付されています。

 マニュアルの存在は2月に明らかになり、岩国市議会などで大問題となりました。こうした中、3月上旬にはホームページから削除されました。

 仁比氏は「在日米軍は、岩国基地で昼夜関係なく着艦訓練を行う準備を整えている。住民はまったく知らないままだ」と指摘。「政府は知っていたのか。撤回させよ」と述べ、安倍晋三首相の見解をただしました。安倍首相は答弁に立とうとせず、小野寺五典防衛相と深山延暁地方協力局長はFCLPを「硫黄島で実施するよう米側に要請する」と繰り返しました。

 さらに、仁比氏は、厚木基地で昨年9月1~5日に強行されたFCLPでは計1452回の騒音を確認し、「聴覚に異常をきたすレベル」に相当する110デシベル以上の騒音が286回計測されたことを指摘。米軍が「台風の影響」を理由に、訓練直前に厚木での実施を通告し、日本側の申し入れを無視して厚木での訓練を強行したとして、「米軍は言うことを聞かない」と批判しました。

 また、全国各地でたたかう米軍の航空機の騒音訴訟でこれまでに判決が確定した賠償金を米国政府が1ドルも支払ったことがないことに言及し、「確定判決にも従わず、“責任はない”というのが米軍の立場だ」と指摘。米軍の勝手な運用に説明すら求めない日本政府を「思考停止の米軍言いなりだ」と批判し「マニュアルを撤回させるべきだ」と迫りました。

 安倍首相は、岩国でFCLPを「基本的に実施することはないと考えている」と述べるにとどまりました。(しんぶん赤旗 2018年4月10日)