鹿児島県奄美大島の豪雨災害発生からきょう27日で1週間。いまも大量の泥や災害ゴミに覆われている被災地に、10月25、26の両日、日本共産党の奄美豪雨災
害対策本部(本部長・赤嶺政賢衆院議員)の一行が入り調査しました。避難所暮らしの住民や復興作業に汗を流す住民を激励。党として、復興に力を尽くす決意
を新たにしました。(竹原東吾)

 死者2人、島内最大の被害を受けた奄美市住用(すみよう)町。避難所となっている奄美体験交流館を訪れた一行は避難住民に「眠れていますか」と声をかけながら、生活不安や要望を聞き取りました。

泥はそのまま

 
65歳の男性=住用町石原=は、住んでいた市営住宅が浸水し泥まみれ。市から「荷物を運び出してほしい」といわれていますが、男性は、けいつい損傷による
障害を抱えています。「家の泥はそのままだし、(運び出しは)できない。行政も大変だと思うが、弱者はそれ以上に苦しい」と訴えました。

 背丈ほど浸水した住用総合支所。災害発生後、4日連続で支所に宿泊したという高野匡雄事務所長は、「逃げることと逃げたあとのこと(対応)で1週間が過ぎた。今後、住宅の問題や諸手続きなどの相談窓口をどうするか考えたい」と話します。

 同地域は、車も水に流され横転し、放置されたままの状態が目につきます。重機が泥をさらい、住民は生活再建に向け懸命に汗を流しています。

 市住用国民健康保険診療所で、浸水後の清掃に励んでいた看護師の女性(38)は「くるぶしから胸に水がくるまで5分もかからなかった」と、当時の恐怖を語ります。

 避難に際して夫で同診療所の男性(49)は患者や投薬のデータが入ったパソコンを、看護師は「あとで絶対必要になる」と、往診カバンをそれぞれ持ち出したといいます。医師のパソコンはいま、避難所住民の健康管理や診療に役立っています。

市長にも要望

 調査団一行は、市役所で朝山毅市長と災害復旧に向けて懇談。罹災(りさい)証明の発行など住宅の全半壊の認定をめぐって、「建物の見かけだけで判断せ
ず、住めるのかどうかで判断してほしい」(まつざき真琴県議)、「被災者の要求がかなう方向で判断を」(仁比聡平前参院議員)と要望しました。朝山市長は
「当然のこと。慎重かつ弾力的にやっていきたい」と応じました。

 調査後、赤嶺氏は、「被害の大きさを改めて実感した。電気や、電話などの連絡手段が途絶え、離島ゆえの対策が課題になっている。もとの
生活に戻る展望がまだ見えず、行政の取り組みも始まったばかり。これからも行政と力をあわせて被災地の再建復興に頑張りたい」と語りました。

 調査メンバーは大きな被害を受けた龍郷町でも調査しました。

 奄美豪雨災害対策本部は、赤嶺政賢本部長、仁比聡平事務局長(前参院議員)。調査にはまつざき真琴県議、三島照、﨑田信正の両奄美市議、田村貴昭国会議員団九州・沖縄ブロック事務所長、久保田薫党県副委員長らが加わりました。

いぜん200人が避難所生活

 鹿児島県災害対策本部が26日正午現在でまとめたところによると、13カ所の避難所に200人が避難しています。奄美市の255世帯478人が断水しています。NTT西日本と携帯電話3社のいずれも一部で不通があります。(しんぶん赤旗 2010年10月27日)