「一日でも早い開門を求めます」。有明海の漁民らでつくる「よみがえれ!有明訴訟原告団・弁護団」の代表ら約60人は5月24日、東京都千代田区の農水省前で、国営諌早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諌早市)の即時開門を求めて座り込み行動をしました。日本共産党から仁比そうへい参院議員が参加して激励しました。

 同事業に関する政府・与党検討委員会は4月28日、諌早湾と有明海を遮断している排水門の開門調査について「実施が適当」とする報告書を提出。これを受けて赤松広隆農水相が5月中にも最終判断を行うとしています。代表らは農水相あての申し入れ書を提出しました。

 行動に参加した湾内の瑞穂漁協副組合長、室田和昭さん(66)は、特産の二枚貝のタイラギは全然捕れなくなり、アサリはかつての30分の1程度の漁獲量になったと説明。「堤防が閉め切られてから13年間も辛抱してきたが、もうがまんの限界だ」と話します。

 湾の対岸に位置する新大牟田漁協の理事で有明海漁民・市民ネットワーク代表、松藤文豪さん(53)も、今年の養殖ノリの収穫が以前の6割になったと指摘。「早急に開門し、潮の流れを元に戻してほしい」と訴えました。(しんぶん赤旗 西日本のページ 2010年5月25日)