被爆者として、国内外で核廃絶の運動に取り組み続け、10月に96歳で亡くなった坪井直(すなお)さんのお別れ会が12月22日、広島市で開かれました。同氏が理事長を務めた県被団協の主催で、約400人が参列。会場には坪井さんの笑顔の写真が掲げられ、献花台に一人ひとりが花を手向けました。

 追悼のことばで県被団協新理事長の箕牧智之さんは、坪井さんが教員時代、生徒に被爆体験を話し、原爆の恐ろしさを伝え続けたことや、平和運動一筋に尽力されてきた功績をたたえました。日本被団協事務局長の木戸季市さんは「お別れの会であると同時に、核兵器も戦争もない世界の実現に向けていくことを誓い合う場でもある」と語りました。

 坪井さんの在りし日の姿を上映した後、お礼のあいさつをした県被団協副理事長の植田雅軌さんは「全世界を飛び回って、被爆の実相と非人道性を訴え続けられた強い信念をわれわれは引き継いでいく」と決意を述べました。

 参列した安佐南区の女性(83)は「私も被爆者です。坪井さんの笑顔にいつも励まされていました。核兵器も戦争もだめだという坪井さんの遺志を引き継いでいきたい」と話しました。

 日本共産党から、井上哲士参院議員、にひそうへい前参院議員・参院比例予定候補、大平喜信元衆院議員、中森辰一市議、村上昭二県委員長が参列し、献花しました。(しんぶん赤旗 2021年12月23日)