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参院法務委員会は9月10日、今年の司法試験の問題が受験者に漏えいされた事件をめぐって集中審議を行いました。上川陽子法相は、事件について「司法試験の公平性、公正性に対する信頼を根底から損なう行為でまことに遺憾だ」と表明しました。

司法試験委員会によれば、考査委員だった明治大学法科大学院の教授が、同大学院修了者の受験生の一人に対して、論文式試験(公法系科目第1間)の出題内容を教示していました。

受験生はマークシートによる「短答式」試験でも高得点をとっていたことが報じられており、この日、上川法相は短答式でも問題漏えいの「蓋然(がいぜん)性がある」と述べ、漏えいの確度が高いとの認識を示しました。

考査委員からの問題潤えいは、2007年にも発生しています。これを受けて司法試験委員会は、考査委員に任命された日から司法試験が終了するまでの間は、法科大学院生や修了者の指導を行ってはならないとした「遵守(じゅんしゅ)事項」を決定しています。

質疑に立った日本共産党の仁比聡平議員は「この『遵守事項』が有名無実化し、指導するのが当たり前になっている」「はっきり禁止しないと、考査委員が倫理を投げ捨てることを野放しにすることになる」と指摘しました。(質問動画はコチラ)

上川法相は、「『遵守事項』がつくられても、結果として事態が起こった。ここにも本質的な問題が潜んでいる」と答弁しました。(しんぶん赤旗 2015年9月11日)