全国公害被害者総行動の参加者は6月2日、都内の企業本社、業界団体、各省庁への要請行動に取り組みました。

 電気事業連合会に対し、安全神話をふりまき、原発を推進した業界団体としての原発事故の責任を追及。「水俣病は公式確認から50年たっても被害はなくなっていない。放射能汚染は100年以上、みなければならないことを肝に銘じて、きちんと対策をとるべきだ」と指摘しました。担当者は「これからは自覚を持って必死に頑張っていく」と述べるにとどまりました。

 東京電力本店前の行動には150人が参加。事前に申し入れていたにもかかわらず、東電は面談を拒否しました。

 4月下旬にも農業被害者の同社への要請に参加した福島県農民運動連合会の亀田俊英会長は、「東電は、すべての被害賠償に責任を負うべきだ。安全な土地、農地を取り戻すまで私たちはたたかう」と訴えました。

 同社に40年勤続して職場の思想差別裁判をたたかい、のちに同社を被告とした川崎大気汚染公害裁判を支援した有坂直幸さん(70)は「原発事故で放射能を垂れ流すという最悪な事態を招いたにもかかわらず、被害者に会わず、ほおかむりなど許されない。東電社員は、被害者救済に何をすべきか自分の頭で考えてほしい」と訴えました。

 「ノーモア・ミナマタ」訴訟原告・弁護団は被告企業チッソと交渉、「国まかせではなく、被害者掘り起こしに独自に力を尽くすべきだ」と求めました。

 環境省前での行動締めくくりにあたり、森脇君雄代表委員は「東日本大震災、原発事故被害者と連帯する取り組みができたことは大きな成果。水俣病、大気汚染の訴訟終結の中での行動でしたが、公害は終わっていない。全被害者救済に向け地域で運動を広げよう」と話しました。(しんぶん赤旗 2011年6月3日)