外国人研修生を劣悪な就労条件で働かせていた、厚生労働省所管の社団法人国際労働運動研究協会(東京都中央区、岩井進一会長)に同省は、このほど改善命令を出しました。

 改善命令書は、二十六日までに改善状況を報告するように求めており、改善されないときは同協会の解散も含めた厳しい処分を行うこともある、としています。同協会の問題は日本共産党の仁比聡平参院議員が、これまで国会で追及してきたものです。

 同協会は、外国人研修生・技術実習生受け入れ事業を悪用。義務付けられている入国後百六十時間以内の研修(座学)も数日しかやらず、最低賃金をは るかに下回る低賃金と研修生にやらせてはならない残業を強要するなど、「研修」に名を借りた違法な労働者派遣の実態が告発されています。

 仁比氏は昨年十一月十三日の参院法務委員会で、同協会の定款にない「支部」が研修生を企業に紹介し、収益をあげていることを厚労省につきつけ、「日雇い派遣のような安上がりの労働者を確保するために、社団法人の名義を借りているのではないか」とただしました。

 仁比氏は、公益法人であれば政府認可という看板で事業ができ、優遇税制が受けられるメリットもあると指摘し、「政府所管の公益法人を隠れみのにして、研修生を食い物にする不正がないか、他省庁の公益法人も含めて調査すべきだ」と追及していました。

 厚労省の金子善次郎政務官は「同協会を検査し、その結果もふまえて厳正に対応する」と答弁していました。

 同公益法人は昨年の三月、名古屋入国管理局に研修生受け入れの虚偽報告をしたとして、法務省から三年間の受け入れ停止処分を受けています。(2009年1月28日(水)「しんぶん赤旗」)