日本共産党の仁比聡平議員は12月4日の参院法務委員会で、失踪した外国人技能実習生への聴取票の野党による集計・分析結果から政府の認識は誤りだったことが分かったとして、「ゆがんだ認識でつくられた出入国管理法改定案は断じて許されない」と主張しました。

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 仁比氏は、野党による聴取票の分析で、2892人(2017年分。22人の重複含む)のうち67%が最低賃金未満で、10%が過労死水準(月80時間)を上回る残業をしていたことが分かったと指摘。失踪原因について「意欲が低く、より高い賃金を求めて」と答弁し、「一部の問題」に矮小(わいしょう)化してきた政府の認識は「根本から間違っていた」と強調しました。

 山下貴司法相は、野党の分析を「重く受け止める。(聴取票の回答を元に)改めて調査する」と答弁。仁比氏は「今さら調査して済む問題ではない。野党に実態を暴かれたがための言い逃れにすぎない。政府は09年以来、『最低賃金以下の賃金は違法』としてきたのに、実態は7割近くが最賃以下だった」と批判しました。

 その上で、悪質な監理団体・ブローカーが実習生を搾取し、低賃金・長時間労働に縛り付ける構造的問題に背を向け、「一部の問題で制度全体は適正だと言い繕い、実習制度と地続きの新たな『特定技能』制度をつくり、実習生を劣悪な環境で使い続けようとしている」と告発。「新制度は外国人労働者の自由意思と合意に基づく」と強弁する山下法相に対し、「実習生の実態を顧みない机上の空論だ」「そのような認識でつくられた改定案で政府に白紙委任するなど断じて許されない」と述べ、廃案を求めました。(しんぶん赤旗 2018年12月5日)