中国・九州北部豪雨災害にあたつての当面する要望

2009年8月4日
日本共産党中国・九州北部豪雨災害対策本部
事務局長 参議院議員 仁比聡平

7月19日から26日にかけての中国地方・九州北部での記録的な豪雨により、8月1日現在、特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」をはじめあわせて死者29名・行方不明1名の人的被害、住家・田畑など土石流や浸水被害など、甚大な被害が各地に広がっている。

我が党は被災直後から各被災地に入り、救援活動とともに被害実態と被災者の要求の把握、実現に全力をあげている。

復旧・復興の要は、被災者が一人のこらず、できるだけ早く、被災前の生活を取り戻すところにある。そのために被災者の具体的要求に応えた公的支援を尽くすことが求められている。とりわけ住宅の再建支援、営農・営業の再開支援には早急な対策が必要である。

個別現場毎の具体的要望についてはひきつづき関係機関の対応を求めていくが、当面する課題について、以下のとおり要望する。

一 二次災害防止に万全を期すとともに、被害の全容把握を急ぎ、すみやかに激甚災害指定

を行うこと。被災自治体が、出向いて被災者の要望を把握し、必要な支援の手配や支援策の周知を行えるよう、人的応援を含めた体制を確保すること。

二 災害救助法を十分に活用し、その場その場で被災者の要求の具体的解決を図ること。

避難所・仮設住宅として公的住宅や民間住宅の借り上げを積極的に活用するとともに、実情に即した適用期間の延長をするための特別基準の設定など、被災者の当面の生活支援に万全を期すこと。

三 住宅の再建支援

1 住宅の再建支援の施策について、早急に被災者への周知・相談をおこなうこと。

2 土砂災害にあつた住家0敷地内の流入土砂・災害ごみの除去は、公的支援なしには極めて困難である。高齢者世帯が多く被災していることにも鑑み、早急に取り除くための支援を急ぐこと。

また、除去後の消毒をすみやかに実施すること。

3 住宅の被害認定にあたっては、外観だけによるのではなく住宅としての機能喪失や補修工事に伴う損傷を正確に反映させたものにすること。6月に行われた運用指針の改定が今回の被災現場で徹底されるよう、自治体への必要な支援を急ぐこと。

被害認定の考え方を被災者にも周知し、被災者が納得できる被害認定とすること。

4 住宅の被害実態把握を急ぎ、災害救助法による被害住宅の応急修理の最大限の活用、被災者生活再建支援法の適用を図ること。

現行法の要件(全壊10戸以上など)を満たさない被災自治体の被災者も同等の支援を受けることができるよう、各県のとりくみを国としても支援すること。

四 深刻な農業被害の実態把握と、農地・ため池・農業用水路など必要な復旧を急ぐこと。

災害復旧にかかる生産者負担をできる限り軽減すること。

農作物被害に対する共済金の早期支払いをおこなうこと。

商店街・商店の営業再開が危ぶまれるなど、中小零細企業への支援が求められている。

緊急融資の拡充や税の減免はもちろんのこと、営業や事業再建に必要な直接的支援をうこと。

五 早期復旧と再度災害防止

1 国道262号線、九州道福岡iC~ 太宰府IC間をはじめ、通行止め区間の復旧をで

きる限り急ぐこと。

2 土石流など土砂災害の発生箇所の原因究明と対策に万全を期すこと。

土砂災害危険箇所とハザードマップの総点検を行い、必要な予算の確保を図ること。

3 国管理河川はもちろん、県管理の中小河川で発生した水害の検証を急ぎ、必要な排水機場などの整備、土のう等応急対策を含めて、再度災害防止に万全を期すこと。

六 今回の豪雨災害を教訓にすみやかに国の災害対策を見直すためにも、とりわけ、

① 避難が安全になされるための災害0避難情報のあり方が、出し手、受け手の双方から

みてどうだつたのか

② 災害弱者施設の安全対策のあり方

③ 安全を最優先にした交通規制のあり方

については緊急に検証・総点検し、その結果にもとづく対策を緊急に実施すること。

以 上