太平洋・ビキニ海域でのアメリカの核実験で第五福竜丸などが被災してから68年。高齢になったビキニ被災船員が多数暮らす高知県の太平洋核被災支援センターの濱田郁夫・共同代表とビキニ核被災検証会の聞間元・共同代表らは12月26日、厚生労働省にたいし、ビキニ被災船員の救済措置とともに実態調査を求める申し入れを参院議員会館内でおこないました。日本共産党の仁比聡平参院議員と吉良富彦高知県議が同席しました。

濱田氏らは、被災船員救済に関わって、核実験被ばく者援護について特別措置法の制定など立法措置による救済を要請しました。厚労省保険課の担当係長は「特別措置法について検討している事実はない」と回答したため、吉良県議らは11月24日の党高知県議団交渉で、保険課の担当者が「要望をうけ、課題として認識した。検討する」と答えたことを指摘し、今回の答弁は不誠実だと批判しました。

濱田氏らは、国として被災船員の健康状態や病歴などの調査をおこない、被害の実態把握することも要請しましたが、「有識者会議も設置し調査した」と従来どおりの答弁を繰り返しました。

支援センター副代表の橋元陽一氏は、国賠ビキニ訴訟の高知地裁・高松高裁判決で被災船員が被ばくした事実を認め、“救済は行政や立法に委ねている”と強調。働くもののいのちと健康を守る東京センターの色部祐さんは、「厚労省は、核実験被災者を救済するために前向きになってほしいし、継続的に意見交換しましょう」と訴えました。(しんぶん赤旗 2022年12月27日)