「オスプレイは岩国にも沖縄にも全国どこにもいらない」「アメリカへ帰れ」の唱和が響き渡ります。米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの試験飛行が繰り返され、翌日にも沖縄・普天間基地への移動が狙われている山口県岩国市で9月30日、市役所前広場で「オスプレイの本土初飛行抗議市民大集会」が開かれました。日本共産党の石村智子衆院中国ブロック比例予定候補、田村貴昭衆院九州沖縄ブロック比例予定候補、仁比聡平参院比例予定候補も集会に参加しました。



市田書記局長あいさつ



 1200人の参加者がオスプレイの写真に赤いバツ印のついたカードを高く掲げました。「命にかかわることはゆずらない」の横断幕や色とりどりの風船が会場を埋めました。



 河井弘志実行委員長は「沖縄への配備を許さず、アメリカへの持ち帰りを要求する。日本に押し付けるなの声を全国連帯で広げる」と力を込めました。




 社民党代表とともに来賓あいさつした日本共産党の市田忠義書記局長(あいさつ)は“殴り込み”部隊のための軍用機がオスプレイであり、「アメリカの世界戦略のために配備をがまんしろというのを許してはならない」と訴え、普天間基地配備と岩国基地への分遣隊配備、全国の低空飛行を許さないため、立場や党派の違いを超えて共同をと訴えました。



 これまでにない共同の広がりとなった集会。「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」「住民投票を力にする会」「愛宕山を守る会」「住民投票の成果を活(い)かす岩国市民の会」「岩国爆音訴訟の会」「海の裁判原告団」の代表が発言しました。



 広島沖縄県人会の男性(62)や大学生(21)が「私には夢があります。基地のない岩国から沖縄へ旅することです」と訴え。シンボルカラーの黄色のネッカチーフをした岩国市由宇(ゆう)町の男性(82)は「漁船や釣り船が頻繁に通る私の家の沖合をオスプレイが低く飛んでいます。危険なものは早くアメリカに帰れといいたい」と語っていました。(しんぶん赤旗 2012年10月1日)

 

 

市田書記局長あいさつ

 山口県岩国市で開かれた「オスプレイの本土初飛行抗議9・30市民大集会」に参加した日本共産党の市田忠義書記局長のあいさつ(要旨)を紹介します。

写真

(写真)あいさつする市田忠義書記局長=30日、山口県岩国市

 私はまず、日米両政府が岩国ではじめてオスプレイを飛行させ、間もなく沖縄に配備することに対して、皆さんとともに強く抗議するものです。

 みなさん、日本政府は米軍に代わり、9月19日、「安全宣言」なるものを発表しました。この「安全宣言」は、市民の安全のため「可能な限り人口密 集地を避ける」と明記しました。しかし、そのわずか2日後に、岩国市の市街地上空を飛んだではありませんか。こんなでたらめな「安全宣言」で、沖縄に配備 したり、岩国基地へ分遣隊を配備することは絶対に許されない、という抗議の声を上げていこうじゃありませんか。

 日本の航空法という法律では、安全装置を備えていない航空機は飛んではならない、と明記されているのに、オスプレイはわが物顔です。それは日米安 保条約に基づく特例法、米軍にはこの法律を適用しないという法律をつくってやってるからであります。こんな欠陥機、世界一危険な軍用機を、世界一危険な普 天間に配備をする。そして、岩国をはじめ日本全国で低空飛行訓練をやる。こんな理不尽な話はありません。

 低空飛行訓練は、これまでも全国でさまざまな被害や事故を繰り返してきました。四国の高知市議会では、市が飛ばそうとする防災ヘリやドクターヘリ まで飛ばせなくなるから、低空飛行はごめんだ、という決議を上げました。日本の環境団体は、「イヌワシやクマタカの繁殖地、あるいはライチョウの生息地、 ここを低空飛行訓練をやられたら、こういう貴重な生物が絶滅するだろう」と反対の声を上げられておられます。

 オスプレイが配備されるハワイでは、「野生動物に重大な被害が出るので低空飛行訓練はやらない」ということを決めました。みなさん、日本の国民はアメリカの野鳥以下なのでしょうか。まるでこれでは、属国扱いではありませんか。

 最後に、オスプレイの配備は「日本の防衛」とはなんの関係もありません。世界でいったん事が起これば、アメリカがその紛争に介入するために真っ先 に飛んで行くのが、海兵隊であります。海兵隊は一般的に「殴り込み部隊」と言われています。この「殴り込み部隊」を大量に輸送するための軍用機がオスプレ イです。

 アメリカの覇権的な世界戦略のために「危険なオスプレイの配備を我慢しろ」。こんなこと許すわけにはいかないじゃないですか。

 9月9日には沖縄で、10万人を超える集会が行われました。沖縄のすべての自治体がオスプレイ反対の決議を上げているだけではなくて、昨日現在 で、沖縄を含めて全国100を超える自治体が「オスプレイの配備に反対」、もしくは「慎重に対応すべきだ」という決議を上げました。

 この全国の皆さんと連帯をして、「沖縄の普天間基地へのオスプレイの配備反対」、「岩国への分遣隊の配備と全国で行われる予定の低空飛行訓練反 対」。この声を立場の違い、政党・政派の違いを超えて、力を合わせて最後まで頑張り抜こうじゃありませんか。ご一緒に頑張りましょう。