衆参両院の法務委員会は4月17日、名古屋出入国在留管理局で亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの収容中の監視カメラ映像の一部を閲覧しました。閲覧は、難民認定申請中の本国への送還を可能とする入管法改定案の審議入りにあたり行われたもの。映像は、メディアに公開されないどころか、同委員ですら撮影、録音などが一切許可されない秘密会の形式で開示され、同委の理事会メンバーと希望する委員が視聴しました。

 衆院での映像開示は3回目。今回閲覧された映像は、2021年2月22日~3月6日までのうち、遺族が国に賠償を求めた訴訟で国が名古屋地裁に証拠として提出した約4時間57分です。

 視聴した日本共産党の本村伸子議員によると、映像には、看護師に「食べるといいんだけどね」と言われたウィシュマさんが「私も食べたい」と言うものの、それができない様子や、嘔吐(おうと)を繰り返す姿、「私、絶対死ぬ」「病院に行きたい。お願い」と訴える姿などがありました。

 本村氏は「何度見ても、(亡くなる2週間前の)22日の段階から入院と点滴が必要だと思う」「命を奪ったのは入管の責任だというのははっきりしている」と強調しました。

 参院での映像は21、22年に法務委員会で閲覧されたもので、時間は約6時間54分です。日本共産党の仁比聡平議員は、「収容した外国人を対等な人間として扱わない入管行政への激しい悲しみと怒りに、メモをとる以外身動きもできなかった。実態解明なしに入管法改定案の審議はあり得ない」と語りました。(しんぶん赤旗 2023年4月18日)