日本共産党の仁比聡平議員は4月9日の参院決算委員会で、イラク日報隠蔽(いんぺい)問題を取り上げ、安倍政権が隠そうとしたものが「非戦闘地域」という建前を崩す「戦場の真実」だったことを指摘。「国権の最高機関である国会がその真相と責任を明らかにしなければならない」として、稲田朋美・元防衛相らの国会招致を求めました。

(質問動画はコチラ)

 仁比氏は、防衛省が「不存在」としたイラク日報を陸上自衛隊の研究本部教訓センター長らが確認したとしている昨年3月27日に、イラク日報の開示請求を受けていたことを指摘。統合幕僚監部の鈴木敦夫総括官は開示請求について、いまだに開示・不開示の決定を行っていないことを明らかにしました。

 仁比氏は、日報の開示請求には内局・統幕・陸幕がかかわって手続きが進められるとして、「陸幕も統幕も(この時点で発見を)知っていたのではないか」とただしました。小野寺五典防衛相は「(昨年)3月27日時点で文書を見つけたことを私に報告があがったのが(今年)4月4日だ」との弁明を繰り返しました。

 さらに、仁比氏は、日報隠蔽問題の焦点は「『非戦闘地域』といって初めて戦地に(陸上自衛隊を)派遣したイラクの『戦場の真実』だ」と指摘。「純然たる軍事作戦」(「イラク復興支援活動行動史」と題した陸自文書)だったと告発しました。

 「行動史」では、「非戦闘地域」とされた場所でも戦闘に至る寸前だったことを踏まえ、「至近距離射撃」訓練などが重点的に行われたと記されています。仁比氏は、イラクのサマワ宿営地に向けて13回22発のロケット弾が発射されたことなども報じられているとして、「『日報』には生々しい現地情勢の詳細な記述があるはずだ」とただしました。

 しかし、小野寺防衛相は「イラク派遣についても法令にのっとった形で対応をしていると確信している」と述べ、派兵を正当化しました。仁比氏は「隠蔽への反省が何もない。隠蔽の真相究明、イラク派兵の徹底検証が必要だ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2018年4月10日)