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刑事訴訟法等改悪案が4月14日の参院法務委員会で審議入りしました。日本共産党の仁比聡平議員は、警察や検察が恣意(しい)的に録音・録画を行い得る重大問題を抱えている法案だと指摘。捜査機関が組織ぐるみで虚偽の自白を迫り、数々の冤罪(えんざい)を生み出してきた怖さを深く認識することが審議の前提だと強調しました。

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法案について政府は「対象事件の全過程が録音・録画される」と説明してきましたが、仁比氏は、冤罪の温床となってきた任意同行や別件逮捕、起訴後の拘留のもとでの取り調べに録音・録画は義務づけられていないことを明らかにし、法務省の林眞琴刑事局長はいずれも対象にならないと認めました。

質疑を通して「一部可視化」にすぎない同法案は、恣意的な録音・録画で逆に冤罪を生み出しかねない危険が浮き彫りになりました。

仁比氏は、うその自白をしてしまう原因について、1967年に発生した強盗殺人事件(布川事件)の冤罪被害者・桜井昌司さんが「心が折れるまで圧力をかけられ、何があっても有罪と思い込まされる」と述べていると指摘。「取り調べの過程全体を事後的に検証できるものにすることが刑事司法改革の出発点だ。自白は怖いと思わないか」とただしました。

岩城光英法相は「自白は慎重な吟味が必要」と繰り返すだけで、まともに答えられませんでした。

仁比氏は、栃木県今市市(現日光市)の女児殺害事件(2005年)でも、被告人が自白するまでどんな取り調べがあったのかは明らかでなく、初めて自白したときの様子も録画されていないと指摘しました。(しんぶん赤旗 2016年4月16日)