「ハンセン病患者の味方」

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 「仁比さんは船員不足の問題をずっと取り上げてくれて、民間委託も白紙撤回に結びついた。ハンセン病患者の味方、仁比さんは国会にどうしてもいてほしい」

 香川県高校市のハンセン病療養施設大島青松園と高松港を結ぶ官用船(連絡船)に長年勤める職員は話します。


船の民間委託撤回

 2010年9月、官用船が民間委託されようとしていたとき、日本共産党の仁比そうへい参院比例候補は厚生労働省と直談判を重ねていました。

 同省は当時、2人の船舶職員の定年退職後の「あと補充」を行わず、民間委託する方針を明らかにしていました。入所者からは「船は私たちにとって幹線道路。島に強制収容させてついの住み家とさせた国に責任がある」と、強い要望が上がり、仁比候補は国に対し「在園保障には自治会の要求が大事。国が運航に責任を負うことが大切で、そこを崩してはならない」と力を込めました。

 仁比候補は「らい予防法」は憲法違反と断罪したハンセン病熊本訴訟の弁護団に名を連ね、たびたび青松園を訪問、泊まりがけで話を聞いてきました。勝利判決以降(01年5月)も入所者や職員の声を聞いて国や国会に届けています。

 08年4月の決算委員会。仁比議員(当時)はハンセン病基本法制定を求める100万人署名の声を代弁するとともに「唯一足としての船、社会への窓口が将来どうなるのか。入所者の不安はあまりある」と、早急な船員の確保を求め、舛添要一厚労大臣(当時)から「2隻とも国の船。きちんと守っていきたい」との答弁を引き出しました。

 加えて仁比議員は桟橋について「全天候型の浮き桟橋にするとともにせめて風雨をよけられる設計に直すべきだ」と求めました。

国会で活躍を期待

 森和男大島青松園入所者自治会長は「弁護士としては国賠訴訟を支援していただき、官用船の問題でも桟橋の問題でも尽力してもらっている。ぜひ、国会で大島入所者のために尽力してほしい」と期待を語ります。

 ハンセン病国賠訴訟全国原告代表を務め、12年11月に亡くなられた元大島青松園入所者自治会長の曽我野一美さんは、「ハンセン病裁判にかかわった弁護士として、国会議員になってハンセン病解決のため、社会福祉問題でどんどん活躍してほしい」と強い期待を寄せていました。

 04年、憲法調査会で初討論。仁比議員はこう訴えかけました。「人間回復の第一歩を記した、らい予防法違憲国賠訴訟判決は、人間の尊厳と基本的人権の尊重を根底に据えた憲法が輝いた瞬間だった。人間の尊厳と基本的人権という現行憲法を守り現実政治に生かすことこそ、憲法と現実のかい離をただす道だ」

(しんぶん赤旗 2013年6月14日)