日本共産党の仁比聡平参院議員は1月13日、広島の「黒い雨」高裁判決を受けた厚労省の被爆者救済で、長崎の「被爆体験者」を対象外としている問題で長崎市に入り現地調査をしました。

 爆心地から11・6キロメートルの戸石村(現在の戸石町)に暮らす「被爆体験者」の林田富雄さん(83)を訪問。当時6歳だった林田さんは、原爆投下後に飛んできた大量の灰が積もった井戸水や野菜を、飲み水や煮炊きに使っていたと語り、「この地域では20~30代で亡くなる人もいた。自分もメニエールや下痢がずっとあった」と述べ、不安な思いを口にしました。「被爆地域拡大協議会」の山本誠一事務局長と内田隆英市議が同行しました。

 県庁で犬塚尚志原爆被爆者援護課長と懇談。堀江ひとみ県議も同席しました。

 犬塚課長は「国の『被爆体験者事業』で7種類のがんが医療費助成の対象に追加されたことは非常にありがたい」としつつ、「広島と同様に長崎の『被爆体験者』が被爆者と認められることが一番の要望」と述べました。

 その後、「被爆体験者」らと懇談した仁比氏は「長崎の体験者の証言は、広島の人たちの被爆の状況と全く同じ。雨に打たれていなくても放射性微粒子を吸入するなど、体内に取り込む内部被ばくが問題だという広島高裁判決の趣旨は、長崎の体験者にそのまま当てはまる」と強調。「みなさんの要求を前に動かしたい」と力を込めました。(しんぶん赤旗 2023年1月15日)