国が強行した「水俣病被害者特別措置法」に基づく救済申請締め切りに対し、いまだ多くの被害者が潜在している現状を告発したミナマタ現地調査は8月26日、2日間の日程を終え、熊本県水俣市で総決起集会を開き、500人以上が参加しました。「すべての水俣病被害者の救済に向けて今後もたたかい続ける」との宣言を採択しました。

 「水俣病不知火患者会」の特措法申請者3700人で組織する特措法部会の浜広昭会長は、今後の活動方針を提起。▽救済にあらゆる手段を駆使する▽救済対象から非該当とされた被害者には、行政への異議申し立てを進める▽年齢で救済対象から排除される人も被害者として救済されるよう全力をあげる▽全被害者救済への国民世論を喚起する―などのために「先のノーモアミナマタ裁判を超えるたたかいを展開していこう」と呼びかけました。

 地域や出生年月による救済線引きで非該当とされ、異議を申し立てた患者3人が被害を訴えました。

 救済対象地域外の上天草市姫戸の男性(80)は、両手のしびれで日常生活に不自由を抱えながら、近所の商店から汚染魚を買っていた証明を迫られ、非該当になったことを紹介。「30年も前の証明をできるはずもない。国が地域外の被害をほったらかしてきたツケを被害者に負わせるものだ」と批判しました。

 藤野糺、高岡滋両医師は、水俣病の検診結果を報告。対象地域内外や出生年月にかかわらず、水俣病の発症率に差がない事実を示し、線引きの不当性を説き明かしました。

 日本共産党の仁比聡平参院予定候補が来賓あいさつしました。(しんぶん赤旗 2012年8月27日)