【18.02.22.】諫早湾干拓和解協議 農漁共存こそ解決の道/開門なし 行き詰まる政府案 排水不良・冷害に営農者も悲鳴

活動日誌

 長崎県の国営諌早湾干拓事業の潮受け堤防をめぐって、国が開門なしの基金案を押し付けようと圧力をかけていることに対し、漁業者の怒りが広がっています。国は基金案で漁業者の懐柔と分断を画策してきましたが、行き詰まりに直面しています。

 「開門なしの案では水質は改善されず、有明海再生は見えない」――。日本共産党の仁比聡平参院議員が2月4、5の両日、佐賀県西南部の漁業者と懇談する中で開門による解決を求める声が相次ぎました。

 基金案は、国が長崎地裁で昨年3月まで続いた和解協議で示した和解案ですが、受け入れられませんでした。これまで実施してきた漁業支援策を100億円の基金にするだけで、開門しないことが前提だからです。

 開門を命じた確定判決(2010年)の強制力を失わせるよう国が求めている裁判が26日、福岡高裁で結審します。国は和解協議の再開を見越して、訴訟当事者ではない有明海沿岸4県の漁業団体に〝和解が成立しなければ基金はできない〟と圧力を強めてきました。原告を孤立させることが狙いです。

 そうした中で1月末、開門を強く求めてきた佐賓県有明海漁協が基金案について、①潮受け堤防内側の調整池から排水するポンプを基金以外で増設②こまめな排水③有明海再生事業の継続――を条件に受け入れる案を検討するよう全15支所に提示しました。

 しかし、ノリの色落ちやタイラギの不漁など大きな被害を受けている県西南部の漁業者は猛反発。同漁協は9日、基金案の受け入れを見送ることを決めました。農林水産省と法務省の担当者が同席して開かれた佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体による会議(10日)でも結論は出せませんでした。

「何も取れない」

 「父の後を継ごうと15歳で漁師になった。あの頃の漁は前途洋々。高級二枚貝のタイラギが豊富で、冬場も休むことがなかった」

 佐賀県西南部・太良(たら)町のOさん(61)は、漁港に並んだ数十隻の漁船を前に無念の思いを語ります。

 本来であれば2月はタイラギ漁の最盛期。しかし、男性が船に乗ったのは正月の5日間だけです。

 「潮受け堤防の工事が本格化した93年ごろから急にタイラギが取れなくなり、諫早湾に近いところから漁場が壊れていった。沖に出ても何も取れない状況が10年以上も続いている。原因は干拓事業しか考えられない」

 開門確定判決を無視し、開門なしの和解案に固執する安倍政権の態度が被害を深刻化させています。

農・漁民に被害

 一方、営農開始から10年を迎えた干拓地の営農者も、地盤沈下による排水不良をはじめとする深刻な被害を訴えています。

 Mさん(61)の会社が農業を営む約30ヘクタールの広大な農地では、レタスや大根の葉がカモに食い荒らされ、所々に水が浮いていました。調整池が原因で霜の発生などの冷害も起きています。

 「長崎県に支払ったリース料は10年間で8千万円にのぼる。それでも県はカモを『追い払え』と言い、水が引かないのは『技術の問題だ』と私たちの声を無視し続けてきた。もう我慢の限界だ」

 Oさんの会社を含む2社は1月30日、県などに損害賠償を求め、長崎地裁に提訴。松尾さんは開門反対派の原告団も脱退しました。

 「優良農地」として入植させながら農地対策を怠ってきた県農業振興公社は、4月以降の契約を一方的に打ち切って3月末での退去を迫っています。

 Oさんは「国と県は『開門したら農業ができなくなる』と私たちを開門阻止の盾に利用し、マスコミも干拓地営農者と漁業者の対立構図を描いてきた。実際の被害者は農民・漁民だ。開門しない前提こそ改めるべきではないか。有明海も干拓地の農業環境も良くなるのであれば開門は大賛成だ」と言います。

 漁業者側の「よみがえれ!有明訴訟」弁護団は、干拓農地への影響がない手法で開門調査を実施し、もし開門により被害が発生した場合の補償と干拓地等での農業振興のための基金を創設する――などの和解案を提示。「新たな視点での和解協議が求められている」と指摘しています。(しんぶん赤旗 2018年2月22日)


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