原爆投下後に広島に降った放射性物質を含む「黒い雨」をめぐり、一審判決に続いて原告84人全員を被爆者と認め、被爆者援護行政の根本的な見直しを求めた7月14日の広島高裁判決。報告集会では弁護士で日本共産党の仁比聡平前参院議員があいさつし、「全面勝利の結論を見ることなく亡くなった原告のみなさん、被爆者と認められずに苦しみ続けてきたすべての被害者のみなさんにこの判決を報告したい」と述べました。

 仁比氏は、判決後の高裁前で原告団団長(83)が「みなさんの証言が認められた」と発言したことにふれ、「極めて重いことだと思います」と指摘。自身も17年前に現地を訪ねて聞いた被害者の証言を認める判決だとし、「黒い雨が降った地域はもちろん、そうでない地城でも内部被ばくが認められると高裁が認めた」「核兵器がどれほど非人道的な兵器か、内部被ばくや低線量被ばくがどれほど恐ろしいものかを裁判所が正面から認めた」と力説しました。

 そのうえで「76年にわたってみなさんを苦しめ続け、線引きで被爆者として扱うことすら拒否してきた政治はもう変えなければならない」と強調。「裁判に訴えなくても、被爆者として国の責任で援護を受けることかできる日本、世界に恥ずかしくない政治をつくるために、大平よしのぶ (衆院中国ブロック比例予定候補)さんらと頑張り抜く」と述べました。(しんぶん赤旗 2021年7月16日)