生活道路の復旧を 薄い布団、体きつい “土砂崩れ対策とられていれば…”

 日本共産党国会議員団・九州大水害対策本部(本部長=小池晃書記局長)は7月20日、被害がとりわけ大きかった福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田市の避難所、被災現場を回り、住民を見舞うとともに、要望を聞きました。

 自宅が土石流で流されたり、床上浸水したりして避難を強いられた約90人が身を寄せている朝倉市の多目的施設「サンライズ杷木」。杷木志波地域で4人が犠牲になった道目木(どうめき)集落の避難者たちは、地域コミュニティーを維持した復旧・復興への希望を訴え、小池氏らに「来てくれてありがたい。私たちの集落はまだまだ取り残されているので、ぜひ見に行ってほしい」と語りました。

 小池氏が「困りごとや心配ごとはありませんか」と質問したのに対し、自宅が土砂にのまれた女性(61)は「集落の生活道路が埋まって、徒歩でしか近づけない状態。復旧は県道優先ですけど、私たちが住んでいるところだということを忘れないでほしい」と要望。小池氏は、19日に党国会議員団で松本純防災担当相への緊急申し入れを行って、生活道路や、う回路の確保を図るよう求めたことを紹介し、早期復旧に力を尽くしたいと応じました。

 避難所の改善要求について女性は、支給された厚さ2センチに満たない敷布団を示しながら、「2週間もこれで寝起きを続けていると本当に体がきつい」と話しました。

 大規模な土砂崩れで1人が亡くなった日田市小野地区では、崩落した山肌と川をはさんだ対岸にも大きな岩や土砂が積み上がり、家屋からかき出された泥のにおいが漂っていました。土砂崩れで川がせき止められて水がたまってできた「土砂ダム」が決壊する恐れもあり、住民は常に緊急避難できるよう警戒態勢を余儀なくされています。

 土砂に埋まった商店の片づけをしていた男性(65)=自営業=らによると、今回、土砂崩れが起きた山は5年前の豪雨災害の際にも一部が崩れていた箇所だったといいます。「5年前の教訓が生かされていなかったんじゃないだろうか」と、男性。「あの時、崩れた所をちゃんと調査し、対策をとっていたら、土砂にのまれた一つの命が奪われずに済んだかもしれない。それが一番くやしい」と話し、言葉をのみ込みました。

 一行は、福岡県東峰村の保健福祉センターで、健康状態の悪化が懸念される在宅被災者の訪問診療などに取り組む保健医療対策チーム(民医連の医師、看護師も参加)を激励しました。

 小池氏は「従来の政策の延長線でなく、甚大な被害にふさわしい取り組みを国に求め、被災者が少しでも安心して暮らせるように頑張りたい」と話しました。(しんぶん赤旗 2017年7月21日)