与党が提出している水俣病「特別措置法案」を廃案にしようと、水俣病患者団体は2日、国会内で集会を開きました。与党案には、チッソの分社化、水俣病の地域指定解除などが盛り込まれており、患者団体はこれに強く反対しています。
 全国各地から100人以上が参加。日本共産党からは、赤嶺政賢衆院議員と仁比聡平参院議員が参加しました。
 ノーモア・ミナマタ国家賠償等訴訟弁護団の園田昭人団長は「与党法案を国会で通せば、水俣病の歴史に悪いものを付け加えるだけ」と怒りをあらわにしました。
 ノーモア・ミナマタ国家賠償等訴訟原告団の一人、吉海(よしがい)ヤエ子さん(65)は「人生を取り戻したい」と体中の痛みをおして熊本県水俣市から参加。涙でのどを詰まらせながら水俣病のためいじめにあったこと、夫や家族とうまくいかず何度も自殺を図ったことを訴えました。
 仁比議員は、患者が体、心、家族を引き裂かれてきたことを指摘。「その責任は加害企業、国にある」と強調しました。「半世紀以上もその責任から逃れようとするのは、断じて許されない」と語りました。
 赤嶺議員は、環境省側が「次々と患者を掘り起こす団体がいるから、いつまでたっても解決しない」との趣旨の発言をしたことを紹介。「後でそのことばは取り消したが、法案にある『指定解除』に怒りをおぼえる」と話し、「被害者救済、真の問題解決に力をそそぎたい」とのべました。
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 院内集会に先だって、ノーモア・ミナマタ国賠等訴訟原告団と新潟水俣病阿賀野患者会のメンバーら数百人が、加害企業のチッソ東京本社前ど、昭和電工本社前で「すべての被害者の救済を」と、交渉をもとめ抗議の声をあげました。
 第34回公害被害者総行動としてとりくまれたもので、同原告団の大石利生団長らが「被害者の声を一聞け」「被害者の大量切り捨てにつながる水俣病『特別措置法案』に断固反対」の横一断幕をかかげ、交渉を拒否しつづける加害企業の姿勢を批判しました。